不妊治療と助成金を簡単解説!

不妊治療の流れと助成金について

今回は不妊治療とはどんなものがあるのか、どんな流れで進んでいくのかをなるべく簡単に解説していきます。

また助成金の制度についてもみてきましょう。

検査について知りたい方はこちら↓

 

syu-pico.hatenablog.com

  

まずは簡単に

不妊治療の流れ

①一般的な不妊治療

・タイミング法

排卵誘発法

・人工授精(AIH)

 

②生殖補助医療(高度生殖医療)

体外受精

・顕微授精

 

になります。

 

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それではここから一つ一つ見ていきましょう。

タイミング法

基本的には排卵日の2日前から排卵日までに性交をすると妊娠しやすい」といわれているため、排卵予定日の数日前に病院へ行き、超音波により卵胞(卵巣にあり、卵子が入っている)の大きさを測定します。

排卵は卵胞の大きさが約20㎜程度になると行われるので、これを基準に推定します。

補助的に尿中のホルモンを測定し、さらに正確に予測する場合もあります。

このタイミング法は大体6回(半年)をメドに行われます。

最近では、自宅で尿中ホルモンを測定し排卵を推定できるようにもなりました。

 

 排卵誘発法

注射や内服薬で排卵をおこさせる方法です。

基本的には排卵のない(排卵障害)場合」に用いられますが、タイミング法ではなかなか妊娠しない場合や原因不明の場合に用いられます。

また、人工授精の行う場合の採卵前に使用することがあります。

種類もいくつかあり、その方の状況に合わせて用いられます。

刺激量も様々で、刺激が強いものは1回に採れる卵子の数は増えますが、身体への負担は大きくなり、費用も高くなります。

副作用(多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群など)の説明をしっかり受けるようにしてください。

 

卵巣過剰刺激症候群

排卵誘発剤を使用したことをきっかけに発症することがあります。

症状として腹部の不快感や痛み、吐き気や下痢などがあります。

基本的には軽症の場合が多いので安静にしておくと改善しますが、進行すると全身のむくみ、腎機能や呼吸の障害などが起こることもあり、症状によっては妊娠の継続が厳しいこともあります。

 

人工授精(AIH)

採取した精液を洗浄し(感染や子宮痙攣防止のため)運動している精子を取り出し、妊娠しやすいタイミングで子宮内に直接注入します。

性交障害、乏精子症、精子無力症、フーナーテスト不良、原因不明などの時に用いられます。

ただ、運動している精子が極端に少ない場合は顕微授精になります。

人工授精も6回程試して妊娠しない場合は次の体外受精を考えます。

副作用として感染や出血、痛みなどが出現することがあるため、抗菌剤を投与することもあります。

費用は1回あたり2〜3万円になります。

 

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体外受精

排卵前に卵巣から卵子を取り出し(採卵)、取り出した卵子精子を同じ培養液の中で受精させ、受精後に子宮に戻す(胚移植)方法になります。

採卵する前には排卵誘発剤を使用しますので、副作用(卵巣過剰刺激症候群など)が出る場合があり、その場合は全ての胚の凍結を行います。

また、採卵後に着床しやすい子宮内膜を作るために黄体サポートという投薬療法が行われます。もし、着床しやすい子宮内膜でない場合も全胚凍結します。

費用は1回あたり30〜60万円になります。

 

*凍結胚移植

体外受精でできた受精卵(胚)を凍結して移植する方法になります。

誘発剤の影響で子宮が移植に適さない場合に用います。

一旦子宮を休ませることができるので、基本的には着床率は上昇し、流産率は低下しますが、場合によっては凍結や融解時に損傷が起こることもあるため、全てにおいて凍結した方が良いとはいえません。

凍結には全てを凍結させる場合と、移植時に余った胚を凍結するものがあります。

 

顕微授精

先ほどの体外受精では培養液を用いて受精を待ちますが、顕微授精の場合は顕微鏡で確認しながら細い針で1個の精子卵子の中に直接注入し受精させ、受精後に子宮に戻す方法になります。

これは体外受精をしても妊娠が成立しなかった場合や精子の運動や濃度が低い場合に用いられます。

費用は1回あたり30〜60万円になります。

 

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基本的に「人工授精、体外受精、顕微授精は自費診療」になります。

ですので、ここからは生殖補助医療(高度生殖医療)に対しての国や自治体からの助成金についてみていきたいと思います。

 

特定不妊治療助成制度とは?

不妊治療の高額な治療に対して、所得や年齢などの条件はありますが、助成金が支払われる制度になります。

条件は「特定不妊治療以外(体外受精や顕微授精)の治療法によっては妊娠の見込みがないや極端に少ないと医師に診断された法律上の婚姻をしている夫婦」になります。

さらに、所得制限は夫婦合算730万円となっており、治療初日に妻の年齢が43歳未満の夫婦になります。(女性側の年齢制限は安全性を考慮して2016年より導入されました。。)

通常、初回の治療は30万円まで、2回目以降は15万円までを6回まで助成を受けることができます。

対象は体外受精、顕微授精、凍結胚移植精子回収術」なります。

(採卵をしない場合の凍結胚移植は7.5万円まで)

人工授精やもともと保険適用となるタイミング法は対象になりません。

また、40歳までは6回まで助成を受けることができますが、40歳以上になると3回までしか助成を受けることができません。

助成金を活用したい方は早めに治療を開始されることをオススメします。

また、自治体によっては個別に助成金制度を設けている場合もありますので、お住まいの自治体の情報も調べていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不妊治療

タフさと優しさを忘れずに

抜け出す日には

どうか笑顔でありますように…。

 

pico助